ドル売りがいつか来るだろう

作者: Yao 分类: 投资笔记 发布时间: 2020-07-17 23:00

ドル/円が、いつまでも107円台の「ロックダウン」状態から抜け出せないのは、なぜでしょうか?

 世界の金融市場が新型コロナウイルスに襲われた3月は、海外からセーフヘブン(安全資産)を求めるマネーが流入して「外貨売り/円買い」が起きました。大幅な円高相場になっても不思議ではなかったのですが、この時は、国内機関投資家や日本の年金が外国債券などへの投資を活発化させ、国内からの記録的な資金流出が「外貨買い/円売り」を引き起こしたため、円高は一過性のものとなりました。

 コロナウイルス感染第一波が沈静化すると株式市場が大幅に反発。楽観的になった海外投資家がセーフヘブン取引を解消したことで、今度は「外貨買い/円売り」が発生しました。株式市場の上昇には、FRB(米連邦準備制度理事会)など海外の中央銀行の大幅利下げのおかげもありますが、その結果、外債投資の魅力が薄れ、国内機関投資家や日本の年金は、国内に資金を戻すいわゆるレパトリの「外貨売り/円買い」に動きました。このように、円を介在した投資フローが絶妙なバランス状態にあることが、ドル/円が動かない理由といわれています。

 しかし、このバランスが崩れる日はそこまで来ているかもしれません。米国ではコロナウイルスの感染拡大が止まらず、カリフォルニアをはじめとして、全米人口の40%にあたる州が経済再開の延期に追い込まれました。セーフヘブン取引の再開とレパトリのドル売り・円買いが同時発生するならば、円高に動きやすくなるでしょう。

 もっとも、今現在のマーケットは、コロナウイルスよりも米中対立激化に目が向いていますが、こちらも方向的にはドル売りといえます。

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